作成日: 2023年02月06日(月)
更新日: 2023年02月02日(木)
アサインメント用語集は、デジタル領域の初学者をメインに簡易な用語の理解と一般的な説明を併記した学習コンテンツです。
打ち合わせで聞くことになる「それだとカニバっちゃいますね」にある、謎の「カニバ」。
自社のサービス同士でお客さんを奪い合ったりすること。
カニバリゼーションはマーケティング用語になりますが、よく省略やカニバリゼーションが起こることを意味して「カニバる」などと表現されることがあります。
言葉としては人肉嗜食の「cannibalism(カニバリズム)」から派生したマーケティング用語になります。英語でのマーケティング用語としてのカニバリゼーションですが、日本語で利用する場合と同じ内容になります。
In marketing strategy, cannibalization is a reduction in sales volume, sales revenue, or market share of one product when the same company introduces a new product.
DeepL訳) マーケティング戦略において、カニバリゼーションとは、同じ企業が新製品を投入した際に、ある製品の販売量、販売収益、市場シェアが減少することです。
Cannibalization (marketing):Wikipedia
自社商品やサービスでマーケティングを考える場合、複数の自社商品・サービスにて提供する価値が似通っている部分がありユーザー(顧客)の取り合いをしてしまい売上の共食いをしていることを意味しています。本来、売上を奪ってくる(という表現が正しいのであれば)のは外部であって自社を除くマーケットからが望ましいからです。
そのため、新規サービスを立ち上げたりする場合や施策を打つ場合など、その影響が自社の他部門・他の商品・サービスを侵食しないかを確認する必要があります。なので”カニバリゼーション”の持つ意味は「基本的に」ネガティブものとなります。
ただし、カニバリゼーション事態が悪いことかというと必ずしもそうではありません。
例えば、事業モデルの再構築を進める場合次のようなことが考えられます。とある商材を販売しているケースです。従来型の対面型販売を行っている販路Aがあるとします。また、一方でオンライン上での販売を行う販路Bがあるとします。一般的に、オンライン販売の方が販売に関わるコストは抑えられることが多い(テナントコスト、販売員のコストなどが省かれる)ためコストとしては販路Bが優れています。このような中で事業としてデジタルシフトや販売のデジタル化の流れの中で、組織として販路Bに販売手法を絞っていきたい意志があるとします。このようなケースの場合、販路Aと販路Bで商品・サービス販売単価に差をつけ(販路Bを安くする)、より販路B経由で売れるようにします。
このような単価設定をすることで、多くの購買者は販路Aから販路Bに切り替えることになり自社の同商品・サービス内で見事にカニバリゼーション(しかも売上減での)が発生することになります。ただし、利益ないし利益率は改善することにもなります。カニバリゼーション事態が悪というわけではなく、意図してカニバリゼーションを起こすこともあるのです。